淡路島南あわじの福良で、職人の手で造られる手延べ麺
3代目 里村 茂(さとむらしげる)は、南あわじ市福良(ふくら)で祖父の代から続く手延べそうめんをつくる家に生まれました。小さい時からそうめん作りには時間がかかるからと朝早くから夜遅くまで働いている両親を見て育ちました。物心つく頃には両親の仕事を手伝ってあげたくて一緒に作業をすることもありました。手延べそうめんができるまで約40時間かかります。効率が悪いように思える手作業も全てに意味があるのですが、延ばしては寝かす、延ばしては寝かすの繰り返しによる作業ばかりで、機械を使えばもっと効率がよく、楽に仕事ができて時間も短縮できるし、もっと遊んでほしいなと子供の頃はそう思っていました。
大きくなるにつれて、機械にはない手延べ製法のコシ・のど越しの良さを引き出す手延べの工程の意味も分かるようになり、効率が悪くても人の手で時間をかけ丁寧に愛情を込めて作ることの大切さを教えてもらいました。「口に入る食べ物には、ごまかしがきかないから。」と両親の口癖です。
そんな思いを主に夏に食べるそうめんだけに費やしていいのか、年中食べて欲しい、もっと知ってほしい、もっと愛してほしいという思いから手打ちそばではなく、淡路島手延べそうめんをつくる手延技術を利用した、手延べそばを開発しました。淡路島手延べそうめん業界も衰退していく中、新しく手延べそば産業として活気づけ、地域産業として盛り上げていき、淡路島の手延べ文化を知って頂くきっかけになればいいという思いから、淡路島手延べそば 島の蕎麦を商品化しました。